1.色々な餌を与えましょう
2.適切な量を与えましょう
3.魚種別の適切な餌とは?

ペットを飼っている方が殆んど毎日行うのが餌あげ・・・ですね。
熱帯魚を飼育する我がアクアリュームの世界でも同じです。
大抵の方が“1日2回朝晩食べ残さない程度に与える”と言うことはご存知だと思いますが 簡単そうで意外と奥の深いのが餌あげです。
お店で働いているスタッフも正しい餌あげをマスターするまで相当日数修行しています。
なぜならば1.量、2.種類、3.タイミングを本当はしっかり考慮して餌を与える必要があり 熱帯魚達を健康により美しく育てるためにはポイントのような物があるからです。
このコラムでは普段何気なくあげている“餌”と“与え方”について取り上げ そのポイントについて少しご紹介しましょう。



熱帯魚は私達が与えた餌しか食べることが出来ません。
人間でも他の動物でも我々は実に色々な物を食べて育っています。
ほぼ同じ物しか食べない生き物は限られているのではないでしょうか?
それは熱帯魚達も同じ事で自然界では水の中に生息する色々な生物を食べています。
餌によって栄養価も違います。
その全てを私達が用意してあげることは出来ませんが なるべく沢山の種類の餌をあげることで栄養の偏りを防ぎ健康に育てる事が出来るのです。

●人工飼料・・・メインに与えたい餌 
人工餌は何としてもメインに与えたい餌です。
熱帯魚が健康に育つよう研究された栄養素から成り立ちほぼ理想の栄養価を誇ります。
また保存が容易であるのもポイントです。殆んどの人工飼料が湿気に弱いため開封後は冷暗所(冷蔵庫や冷凍庫が理想)に保存しましょう。
また魚種別に販売されている餌がある場合はより本来に近い栄養素を与えることが出来るため そちらを使用してあげると良いでしょう。

※フレークフード各種
魚種を選ばないオールマイティーな餌です。
水の中に入れるとかなり柔らかくなり熱帯魚が自分に合った大きさにちぎって食べることが出来るので 与える熱帯魚の大きさをあまり問わない所が良い所です。
大型の魚や肉食魚でない限り殆んどの熱帯魚の基本フードとして使用できます。
反面水の中で多少散らばりやすくやや水を汚す傾向があることや 加熱処理をして作るためビタミンが破壊されやすい事や 薄く軽く作られているため見た目より量を多く与えることが難しい(人間がのりを食べているような感覚)ため 大きく沢山餌を食べる魚には不向きなどの弱点もあります。

※ペレット状の餌各種
栄養価としての特徴はフレークフードとほぼ同じですが 固形物なのでしっかりとした量を与えることができます。
比較的大きな熱帯魚におススメです。
またフレークに比べて加熱処理があまりされていないので栄養価の損失も最低限となっています。
弱点としては粒の大きさを考慮して与えないと口に入らなかったり 水中を下降するスピードが早すぎると魚が気がつく前に底に落ちてしまうなどがあります。

※人工餌色々
植物質を多く含んだ餌、赤い色をより綺麗に発色できるようカロチノイドを多く含んだ餌、病気になりにくいようにベータグルカンなどを意図的に添加した餌、などがあります。
それぞれ基本のフレークやペレットの補助食として与えると良い効果が期待できるでしょう。


●冷凍飼料・・・補助食に最適!新鮮な蛋白源とビタミンの補給に
冷凍餌は本来熱帯魚が食べている餌に近く非常に嗜好性が高いのが魅力です。
採集物の海水魚やアピストやエンゼルやコリドラスなどが人工の餌を食べてくれない場合に、まず冷凍の餌から与えて人間が与える物になれさせる(餌付けと言います)場合には必ず使用されます。
また天然の原料をそのまま急速冷凍しているので本来の栄養価をそのまま与えることができます。
ただし嗜好性が高すぎるため、与えすぎると人工飼料を食べなくなってしまう弊害があります。
単一の餌しか食べなくなると栄養の偏りが懸念されるので 多用するのは避けた方が良いでしょう。
冷凍庫での保存しなければならないのでご家族の理解も必要になります。

※冷凍赤虫
代表的な冷凍餌です。
全ての小型淡水魚や大型魚の稚魚の餌として活用できます。
ユスリカの幼虫を原料としており栄養価も抜群です。餌付けや各種人工飼料の補助食として与えましょう。

※冷凍ブラインシュリンプ
海水魚の代表的な冷凍餌です。
新鮮なブラインシュリンプを原料としており嗜好性が抜群!
海水魚は採集された魚が殆んどなので餌付けとしての使用頻度は非常に高いです。
カロチノイドも含むため赤の色揚げにも効果があり 淡水小型魚に与えるのも有効です。
ただし大きくなる海水魚に対して栄養的に十分とは言えませんので多用は避けましょう。

※冷凍ベビーブライン
ブラインシュリンプの幼生を急速冷凍した餌です。
非常に小さいため 熱帯魚の幼魚に与える餌として有効です。
また小さなポリプから餌を食べるサンゴに与えても良いでしょう。
カロチノイドを含むため赤の色揚げにも効果があり、淡水小型魚に与えるのも有効です。

※その他冷凍餌
冷凍のイトミミズやミジンコなどがあります。
バリエーションとして与えると良いでしょう。


●乾燥餌・・・補助食に最適!
ただし乾燥させる段階で若干栄養を損失しているため冷凍餌が使えない方におススメ。
クリルは大型魚の餌としてもおススメできます。

※乾燥クリル
鯨などが常食している“オキアミ”と言う名のエビの仲間を主原料としています。
嗜好性が高く比較的大きいので大型魚の餌や大きな口のサンゴの餌としてよく利用されます。
ただし商品によっては塩分濃度が高いので与えすぎると障害が出る場合もあります。

※乾燥赤虫
冷凍赤虫と違って長時間浮いているため お店ではアロワナの幼魚の餌としてよく使用します。

※その他乾燥餌
冷凍の餌とダブる商品が多く 冷凍餌より手軽に与えたい人や冷凍庫での保存が出来ない人はこちらの乾燥餌を補助食として与えると良いでしょう。

●生餌・・・栄養価と嗜好性は最高の餌!
生餌は本来魚が食べている物に1番近い究極の嗜好性を持った餌です。
生餌を食べない魚は殆んどいないでしょう。
またボリュームがあるので大きな魚の主食として与えてもよいと思います。
ただし多くの種類の生餌を常に用意できる人は殆んどいないと思います。
与えすぎると他の餌を食べなくなるため常用はやはり避けた方が良いでしょう。

※イトミミズ
全ての小〜中型魚が好んで食べます。
非常に栄養価が高く与えすぎると直ぐに太ります。
入荷直後の痩せている魚や産卵前の体力補強には絶大な効果を発揮します。
お店で大抵扱われているので比較的入手しやすいですが 在庫が切れている場合も多いため主食にするのは避けた方が良いでしょう。
保存もタッパーなどに入れ水を薄く張り冷暗所で保存しないと直ぐに痛んでしまいやや面倒です。
砂利を厚く敷いた水槽に直接入れると砂利に潜ってしまい水を汚すため、食べきる量を少しづつ与えるか容器に入れて与えましょう。

※ブラインシュリンプ
ブラインシュリンプの卵を孵化させて与えます。
全ての小型魚が好んで食べ 卵から孵化したばかりの幼生は栄養価も非常に高く特に稚魚の育成には欠かせません。
カロチノイドを多く含むので 赤の色揚げにも効果があります。
保存が出来ないので1日で使い切らねばなりません。(孵化に24時間掛かるため毎日与えるためには孵化施設が2セット必要)
また孵化させる水に塩分を使用するため 与える際にはしっかりと水で洗浄する必要もあります。

※金魚やメダカなど
主に大型魚の餌として常用されています。
肉食魚などが食べる姿は見ていて迫力がありますし栄養価も高いのでおススメの餌です。
ただしビタミン破壊酵素を持つ種類もありますし与えすぎると人工餌など見向きもしなくなりますので 単食はおススメしません。
専用の水槽などに保存する必要があり また病気の持込がもっとも懸念される餌です。
しっかりと病気の有無を確認してから(トリートメントできればさらに良い)与えてください。

与えれば与えただけ食べますが 徐々に体が必要としている餌の量は減少しているはずです。

人間と一緒で同じ熱帯魚でも子供はよく食べます。
餌の与えすぎはむやみに水を汚し水換えの負担がまします。
また逆に熱帯魚は子供の頃に食べた餌の量でその後の大きさが決まってしまうので 子供にはより多くの餌を与えることが大切です。
●稚魚〜幼魚・・・1番餌を食べます

可能であれば1日3〜5回程度少量ずつ与えるのが理想です。
この時期に餌が不足してしまった熱帯魚は栄養失調を起こし その後順調に成長できない場合もあります。

●若魚・・・1日2〜3回普通に餌をあげましょう
●成魚・・・1日1〜2回餌をあげましょう

この時期は人間と同じで体が必要としている量はかなり少なくなっています。
この時期に餌をあげすぎると肥満になってしまいます。与えれば与えただけ食べますので 水も相当汚します。

※購入直後など
購入した魚が痩せてしまっている時やまだ人工餌に餌付いていない時は 食べる餌を頻繁に与えて体力を回復させ水槽の環境にならしてあげてください。
イトミミズや赤虫やブラインシュリンプなどを与えるのが良いでしょう。

※適切な量の判断
常にお腹がいっぱいの魚は段々とわがままになってくる傾向が強いです。
また餌を与えることは水を汚すことに直結しますので 腹八分に与えるのがとにかくベストです。
常にお腹を若干減らしておけば 餌をねだりに来る姿が可愛いですし 与えた餌を偏食せずなんでも食べてくれるようになるでしょう。

魚は餌を与えれば自分の限界まで食べようとします。
限界は口に咥えた餌を吐き出すことで分かりますが 本来必要としている餌の量はそれよりもはるかに少ないです。
与える量の基準は魚が痩せているかどうかで判断できます。
魚を正面から見たときにしっかりと厚みがありプリプリしていれば普段の餌が十分に与えられている証拠です。
餌が不足気味の魚はなんとなく薄っぺらく貧弱な感じに育ちます。
種類によって本来食べている餌が違います。
ここまで出来るようになれば貴方もプロ?
熱帯魚は基礎的な栄養を満たしていれば育ちはしますが それでは本来の美しさを発揮してくれません。
また魚種によっては形や性質に特徴がありますので その特徴を満たす餌を与えましょう。


フレークや魚種別のペレット状人工餌と色揚げ効果の高い餌を交互に主食として与えます。
イトミミズや冷凍餌各種をおやつ程度にまれに与え、可能であればブラインシュリンプの幼生を与えるのも良いでしょう。(人工餌2〜3種、生・冷凍餌2種程度)

フレークや魚種別のペレット状人工餌を与えますが 口が扁平なのでフレーク状のほうが食べやすいかも知れません。
草食傾向の強い魚種が多いので 色揚げ効果のある餌と植物質の餌を加えてバランスよく交互に与えます。
イトミミズや冷凍餌各種をおやつ程度にまれに与え、可能であればブラインシュリンプの幼生を与えるのも良いでしょう。(人工餌2〜3種、生・冷凍餌2種程度)

少し大きくなる魚種なのでフレークよりはペレット状の人工餌を主食に与えます。
イトミミズや冷凍赤虫もおやつ程度に与えますが 小型の魚より体力が必要なので冷凍赤虫などは与える頻度を増やしても良いでしょう。(人工餌2〜3種類、生・冷凍餌1〜2種類)


底に沈む専用の餌を与えます。
コリドラスは冷凍の赤虫やイトミミズもかなり好んで食べますが食べ過ぎない程度に与えましょう。
イトミミズは腹水になる可能性が高くなりますので与えすぎには注意が必要です。
ロングノーズのコリドラスは人工餌を食べない種類も多く、生涯冷凍や生餌で育てなければなりません。

底に沈む専用の餌を主食に与えます。
草食傾向が非常に強いですが 専用の餌はそれを踏まえて作られていますので安心です。
また水を汚すのを覚悟でゆでた野菜などを与える人もいます。
種類によっては肉食傾向が強く冷凍の赤虫やイトミミズなどを好む種類もいますのでよく調べてから与えてください。

慣れさえすれば殆んどの種類が人工の餌を食べるようになりますので、生餌に頼りすぎず人工の餌を食べるよう上手に餌付けて下さい。(ピラニアも慣らせば人工餌を食べるようになります)
魚種別の専用餌が発売されていますのでそれを主食に与えるのが良いでしょう。
また大型魚飼育の楽しみである 捕食シーンを見たり新鮮な蛋白質を与えるためにも生餌を適度に利用するのも良いと思います。
生餌も一般的な小赤だけではなく、エビやドジョウなど色々な種類を与えるとなお良いでしょう。