寒い冬をポカポカ乗り切る 暖か保温術

暖かい地域に住む熱帯魚にとって、日本での冬は厳しすぎる寒さとなります。また金魚やメダカも、室内で飼育する場合は部屋の暖房のオンオフによる水温変化で調子を崩しがちです。そこで寒い時期は、水槽用のヒーターが熱帯魚の飼育には欠かせません。ヒーターの正しい使用方法を学び、辛い冬をポカポカと乗り切りましょう!実は、冬場はヒーターだけしっかり使用していれば設定温度にピッタリと保たれるため、気温の上昇などによって水温が勝手にあがってしまう夏場よりも熱帯魚の飼育は楽だったりします。

また熱帯魚や金魚にとって、最もストレスなのが“1日の水温差”です。暑くても31℃で水温が固定されているよりも、日中は25℃で夜間に21℃まで下がる“日中の水温差4℃”の方がはるかに魚に取ってダメージがあります。

ひとくちにヒーターと言っても種類などの色々な選択肢があります

①目的に応じた使用しやすいヒーターを選択する ②水槽の大きさにあった正しいワット数のヒーターを使用する ③突然壊れるヒーターは予備を必ず持って備える(ヒーター部分の寿命は1.5年~3年前後) 以上がヒーターの選択に必要な項目です。

ー①ヒーターの種類ー

温度固定オートヒーター

【特徴】

・設置が容易で簡単に使用できる

・コンパクトで目立たない

・温度を設定しなくても26℃で安定

・安価

美観を損ねず設置も容易で、小型水槽や水槽を多く持っている熟練者、またはメダカや金魚など水温の変化に強い観賞魚向け

温度可変式オートヒーター

【特徴】

・設置が容易で簡単に使用できる

・設定温度の変更が可能で、病気の治療や節電に対応できる

・コンパクトで目立たない

・安価でなく、壊れると全て買換え必須

設定温度の変更が出来る分、オートヒーターより使い勝手が良いですが、その分高価でしっかり飼育したい方向けです

セパレート式サーモ&ヒーター

【特徴】

・設定温度の変更が可能で、病気の治療や節電に対応できる

・壊れやすいヒーター部分だけ交換が可能で、コストパフォーマンスに優れる

・配線が多く設置が面倒で美観を損ねる

コードが多く美観を損ねたり、温度を感知するサーモ部分とヒーター部分を離して設置する必要があるなど、設置はやや面倒ですが、その分使い勝手は良くお勧めです


小型水槽や金魚やメダカの飼育には温度固定オートヒーター、本格的な熱帯魚の飼育にはセパレート式サーモ&ヒーターがお勧めです

ー②水槽の大きさに合ったヒーターを選ぼうー

~超小型水槽 30~40cm水槽 ~45cm水槽 ~60cm水槽 90cm水槽 120cm~水槽
50W未満 80~100W 100~150W 150~200W  300~400W  500W~

玄関など冷える場所に水槽を置く場合は、大きめのW数を選択しましょう。弱すぎるヒーターでは水温を設定温度まで温めきれません、また強すぎるヒーターでは細かい温度調節が出来ず、オンオフのスイッチが頻繁に入り寿命が短くなる場合があります。

ー③予備のヒーターを準備しようー

ヒーター部分の寿命は半年~3年超と使用環境によって大きく異なり、突然寿命を迎えます。突然の寿命に備え、予備のヒーターを1本持っておくと冬場の急激な水温低下などを防止できます。また同じW数でも、150W=80W×2本、300W=150W×2本など、ヒーター部分を数本に分けて設置すると、片側が壊れてもある程度水温をキープする事が可能です。サーモ部分にヒーター接続プラグが1つしかない場合は、市販の分岐コンセントを使用する事で対応可能です。なお、サーモスタットの部分は通常は5年~10年の使用が可能です。

ー④ヒーターカバーを付けようー


写真のような手順でヒーターカバーを付けると、愛魚が直接ヒーターに触れてやけどをしたり、大きな魚がヒーターを壊してしまう事が防止出来て便利です。なお、現在市販されているヒーターの多くには最初からカバーが付いているものが多いです。

ー⑤豆知識ー

【節電をしよう】

設定温度をコントロールできるヒーターでは、季節に応じて設定温度をコントロールする事で電気代の節約が出来ます。

・夏場・・・28℃~30℃

・冬場・・・23℃~25℃

熱帯魚は一定の水温であれば、幅広い範囲の温度に対応できます。冬場に設定温度を落とすと、無駄な電気代や水の蒸発を防止できます。設定温度を変える場合は、1日1℃ずつ下げましょう。

【金魚やメダカにもヒーターを】

室内の水槽で飼育する場合は、水量が少なく部屋のエアコンなどの影響で水温が急激に変わりやすくなり、水温の変化に強い金魚やメダカでもストレスから病気になる事があります。金魚やメダカの飼育でも、室内の場合はヒーターを使用する事をお勧めします。